新宮市立光洋中学校の生徒会の取り組みの1つに「ありがとう活動」がある。普段感謝の気持ちを伝えられていない裏方の職員らに対し、全校生徒のメッセージを模造紙にまとめるなどして手渡し、「ありがとう」と伝えるもの。平見雪月副会長(3年)が立案し、役員4人が中心となってこれまで栄養教諭、校務員に実行。直接感謝を伝えられた2人は大層喜んでいた。
仕事が感謝されるのはうれしいものだ。歌手・竹原ピストルの歌に「必死じゃない大人なんていないのさ」とあるが、働いている人はそれぞれいろんな事情や感情を抱え、忙しい毎日の中で時にはそのやりがいや意義さえ見失いそうになりながら、それでも踏ん張っている。本音では本当に誰かの役に立てているのだろうかと半ば疑いながら、しかし生活や信念のためまた働く。感謝を伝えられるのはその思いが報われる瞬間であり、働く希望にもなる。
新谷悠大生徒会長は、活動を通して自分たちが支えられていることを改めて感じたと話した。きっと、今日の仕事も誰かの役に立っている。そう気付かせてくれたことに感謝したい。
【稜】