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紀南抄「関東大震災から100年」

 「地震・雷・火事・親父」とは、この世の怖いものを言い表した言葉だ。「親父」は時代の変化と共に必ずしも怖いとは言い難いが、前の3つは時代がどうであれ変わらない。

 1923年9月1日昼、マグニチュード7・9と推定される近代化した首都圏を襲った唯一の巨大地震「関東大地震」が発生。南関東から東海地域の広範囲で死者10万5385人、全壊・全焼・流出の家屋は29万3387軒に上り、ライフラインにも甚大な被害が生じた。今年の9月1日で、この「関東大震災」から100年になる。

 9月1日が「防災の日」と定められるなど、同震災は近代日本の災害対策の出発点となった。現在も当地方では南海トラフ地震が近い将来発生すると予測され、防災の重要性が強く訴えられている。

 紀伊半島大水害があったのも9月。遺族や被害関係者が口をそろえて言うのは、「もう二度とこのようなことがないように」。それは災害がないようにというより、被害がないようにという気持ちだろう。自然と共に生きる熊野、ひいては日本は、一人一人のそういった心構えが守るものだと思う。

【稜】

      8月31日の記事

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