インバウンド(訪日外国人客)が目に見えて増えている。店舗や事業者の外国人対応に対し、市町村がお金や人材で支援できないだろうか。
最近は飲食店の外国人客も珍しくなくなってきたが、英語のメニューをすっと渡しているラーメン屋がある一方、日本語のメニューしかなくて外国人が他のテーブルの料理を指さしながら注文している居酒屋もある。熊野那智大社の例大祭の反省会では、英語以外の言語にも対応できるよう救護班の通訳や多言語案内表示の必要性が語られた。
避けて通れない人口減少と少子高齢化。その打開策としての移住・定住促進も雇用創出も、交流人口の増加が最初のステップであろう。経済効果から見ても、今後当地方が観光に注力していく流れは必然。岸本和歌山県知事が言うように紀伊半島の持つ精神性を押し出すならなおさらに、インバウンドへの対応は必須課題。
おもてなしは細部に宿る。古くからあらゆる人々を受け入れてきた熊野の”受容”の気質は今もまだ根強く、それは目にも数字にも映らぬ財産である。官民が支え合い、地域全体で歓迎する体制を作りたい。
【稜】