政府の有識者会議で、外国人技能実習制度を廃止して新制度を創設する案が示されている。途上国の人材育成による国際貢献を目的とした制度だが、実習生が外国人労働者の受け入れ手段となっている現実があり、国際貢献から人材確保へ方針の切り替えを検討していくという。
以前取材で巻き網漁船に乗せてもらうことになり、10時間ほど実習生と肩を並べて過ごすことになったことがある。船酔いや食事で気を遣ってもらったり、即興で故郷のおかしを作って振る舞ってもらったりと、非常に親切にしてもらった。長島の弓の祷で災いよけの杉皮を受け取りに列を作ったり、出港するカツオ船をはしゃぎながら見送ったり、権兵衛の里の和文化体験で浴衣に目を輝かせたりと、傍目からではあるが、彼らは異国の地でたくましく生きている。
今後も過疎化が進む地方で労働力の確保は重要な課題。現実と乖離した制度は改められていくべきとして、誠意と敬意を持って受け入れ共存を目指していくことが求められる。
(R)