三重県による事前復興計画で、主に東日本大震災における復興についての講話があった。復興事業の合意形成に時間がかかったり、先行した事業が後の事業の支障となる事態になることは想像に難くない。
この地域は海に近いまちが多く、高台の広大な土地は限られており、仮設住宅の用地の確保に懸念がある。避難生活の長期化は人口流出につながりかねず、復興の進捗に影響しかねない。
講話では東北地方の自治体の復興計画が紹介されたが、成功例だけでなく、集落や市街地を集約できない自治体が名指しで示されたことにショックを受けた。自治体や地域によって事情は異なり、当然復興の進展具合や今後のまちの状況も変わってくる。被災したまちの復興の評価は議論しにくいテーマではあるが、現実問題として将来のまちの存亡として結果に現れる可能性もある。
大規模災害に見舞われることは想像したくないが、南海トラフでマグニチュード8~9の地震が20年以内に発生する確率が60%程度に引き上げられたのは記憶に新しい。まちを存続するために、防災だけでなく、どう復興していくかを広く議論していくべきだ。
(R)