夕方の新聞配達をしていると、季節の移り変わりを肌で感じ、鼻で知り、目で確認するようになる。この季節は、着込み過ぎていると汗をかき、マスクを外せば花の香りに気づき、枯れ木に白やピンクの彩りが目につく。日が長くなり、帰り際に、天満浦や馬越あたりから夕焼けに染まる尾鷲の山と街と海を見て楽しむのは、少しばかりの役得と言えるだろう。
冬が嫌いという訳でもないが、この季節は日が経つほど、心がほっするような、心が明るくなるような気がしている。卒業式や合格発表、入学式など、人生の節目となるような行事を脇で見守る機会も多くなる。
コロナ禍で3度目の卒業式となり、文科省は一部の場面を除き「マスクをしなくてもよい」という方針を打ち出している。今までの学校生活を締めくくる場に、一緒に過ごしてきた仲間や家族にしっかりと顔を見せることは意義がある。その一方で、受験を控える生徒が万が一を考えたり、どうしても抵抗がある子もいる。
ウイズコロナの中で、卒業式に限らず、今後はマスクの着用について人それぞれに対応が変わってくる。これからも互いを思いやりながら穏やかに過ごしていければよい。
(R)