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社説「紀宝町議選 無投票か選挙戦か微妙」

 紀宝町議選の告示が来週24日(火)に迫っている。今回から定数2減の11となる。先日、町選管による事前審査があり、現職10人、新人1人の計11人が訪れた。残る現職3人は今期での引退を表明している。このほか1人が関係資料を持ち帰ったという。この人物は本紙の取材に対し、立候補するかどうかの判断はぎりぎりになると話しており、前回4年前に続き無投票か、それとも選挙戦に突入するのか、告示当日まで微妙な情勢。選挙戦になった場合の投開票は29日(日)。

 有権者にとって最も身近な選挙と言える議員選だが、前回無投票となり、その後、町民感情を踏まえ、議会で適正な議員定数の在り方について協議し、2削減を決定した。それでも今回、無投票の可能性があり、削減しなければ定員割れの状況も考えられた。紀宝町に限ったことではないが、議員のなり手不足は深刻な問題となっている。
 
 現職であれば、自身の4年間の議員活動が住民にどの程度評価されているのか、それを推し量るのが選挙。いわば"通信簿"である。ある現職議員は「選挙はあった方がいい」と話し、昨年から精力的にあいさつ回りを行っていた。
 
 小さなまちの選挙ほど、地縁血縁に頼るところが大きい。地区代表のような意味合いもあり、まずは組織票を固め、次に自身の人柄や政策を広く住民に浸透させていくという戦いが一般的だ。戸別訪問一択ではなく、最近は若い世代向けにSNSをうまく活用する陣営もある。だが、早くから無投票の空気が流れると、こうした取り組みの機会が減り、議員と住民との距離がなかなか縮まらないという現実もある。今回も、新たな立候補への動きを知り、慌てて準備に奔走する陣営も見られる。
 
 人口減少、産業振興、防災対策など、課題が山積している。課題解決には、議会が是々非々の姿勢で当局と相対し、議論を尽くしたうえで、両輪となって施策を進めていくことが大切。また、地域にはそれぞれの課題や要望があり、これらを拾い上げ、当局に伝えるパイプ役としての働きも求められる。選挙あるなしに関わらず、改選後の議会には、住民と近い距離で、議員としての仕事を全うしてもらいたい。
 

      1月20日の記事

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