「情報を共有し、共感することで、人は少し前向きになれる」。過日の女子会で出た結論である。悩みに対する的確なアドバイスはもちろん大切だが、「大丈夫」「分かるよ」と理解してくれるだけで、心は軽くなるものである。

　近年のマーケティング研究で、購買意欲を刺激する要因として、ＳＮＳなどを通じた「共感」の存在が注目されているという。好きな芸能人やインフルエンサーが紹介した商品をついつい買ってしまう、あの消費行動である。共感は動物が本能的に持っているものであり、私たちはそれを避けることはできないという。

　共通点の多さも大切だと感じる。年齢や趣味、好きな食べ物、同じ学校出身など、感覚の共有で距離感が一気に縮まる。歳を重ねるごとに交友関係が狭くなり、新しく出会った人と深い仲になることはなかなか難しいが、共感や共有、共通を増やしていく中で仲良くなっていくものだと思う。

　一方で、自分にない感覚にも魅力を感じる。女子メンバーの１人が、洞察力、観察力、企画力、センスなどすべてを兼ね備えている。私にはどれも持ち得ていないもの。だからこそ、一緒にいて楽しいのだとも思う。

【織】