9月9日は「救急の日」だった。三重紀北消防組合消防本部によると、広域搬送が増加傾向にあるという。1~6月に26.06%の258人を管外に搬送している。統計外だが、7月には尾鷲総合病院で複数の医師が新型コロナウイルス感染症にかかり、2週間程度救急外来の受け入れを取り止めていた。年間統計ではさらに割合が高くなる可能性がある。
消防本部への取材で、要因の一つとして「かかりつけ医が広域化していて、傷病者の希望による管外搬送事案が増えている」という話を聞き、驚いた。難病や高度治療が必要となる場合は、結局大規模病院に頼らざるを得ない。
緊急走行でない場合、高速道路を使っても尾鷲市から松阪市や伊勢市までは約1時間、津市までは80分から90分程度かかる。救急隊員の負担も大きい。この点からも尾鷲総合病院の機能強化が期待される。
整形外科と内科の常勤医師確保について、加藤千速市長が9月定例会の行政報告で言及していた。医師が長くいてくれることが望ましいが、例えば都市部の病院や大学と3年任期で交代制といった仕組みをつくれないか。一層の取り組みを望みたい。
(M)