質問力とはなんだろうか。先日の取材時、新宮警察署長に「取り調べ中にカツ丼を出すことはあるのか」と聞いてみた。
質問は人生を豊かにする。自分のそれまでの常識や偏見を外から打ち壊してくれる。私の中学時代の数学の先生は「質問力を身につけろ」が口癖で、なんとテスト前に「質問の時間」を設け、テストに関するギリギリの範囲まで答えてくれた。生徒の自主的な質問意欲を引き出していたのだろう。
この時に私が学んだことは、「遠慮は何も生まない」ということだった。何か気になっていることがある時に、「でも的外れな質問だったらどうしよう」と引き下がるのと「気になるから聞いてみよう」と行動するのでは違う。これを人生何十年と積み重ねたら大層な違いだ。これが質問力の正体なのかもしれない。
結局「取り調べにカツ丼」はテレビの中だけの話らしい。実際の警察官、それも署長に聞けたのだから満足だ。
16日から高校生の就職活動が解禁となった。社会に踏み出す大きな一歩。遠慮せず大胆に行動し、気になることは恥を恐れず聞いて欲しい。カツ丼のことを聞いたときは、私も笑われるのを覚悟していた。
【稜】