新型コロナウイルス感染症の拡大で、いわゆる高級食材の動きがにぶり、生産現場での影響も長引いている。昨年同様、学校給食での利用を促すなど、在庫を減らす取り組みが予定されているが、聞いた話では、マダイは使用の申し込みが伸びていないという。
昨年度は、尾鷲小学校で取材した。切り身のパックで納入されるので、調理の手間もあまりないのでは、と思うが、やはり牛肉、鶏肉などに比べて使いにくいのだろう。一度に大量に作って子どもたちに食べてもらうというのは、なかなか難しいこと。普段、使わない食材ならなおさら。
給食に利用しやすいレシピを広める、という手はないか。家庭での消費促進にも役立つと思う。
ある市民が「魚ごはんに使ってもらうのはどうだろうか」と話をしていた。いいアイデアと思う。それなりの量がさばけるし、調理自体にそれほど手間はかからない。
餌代がかさむ、大きくなりすぎると出荷先が見つからない、次の稚魚が入れられないなど、養殖業者は大きな困難に直面している。融資の返済開始の時期も近づく。養殖業は尾鷲市の主要産業である。衰退させないために、一段の手助けが必要だ。
(M)