傍聴した3月議会の一般質問で、ジェンダー平等についての議論があった。「女性議員は少数で、課長職に女性がいない」との指摘に、「性別ではなく能力で登用している」という回答は正論で、そうでなくてはならない。
それでも、能力登用による管理職と、民意によって選出される議員で占められる議会に女性が片手で数えられるほどしかいないのは、素直にいびつだと思う。
内閣府男女共同参画局によると、ジェンダーとは「社会的・文化的に形成された性別」のこと。生まれついての性別ではなく、社会通念や慣習の中で作り上げられた「男性像」「女性像」を示す。
尾鷲市と紀北町ともに議会の構成が気に掛かっている。もちろん年齢や性別に関係なく主張に耳を傾けるべきだが、子育てしやすいまちにしていく上で、当事者である若い世代の率直な意見が議場に持ち込まれることが望ましい。ジェンダー自体に良い意味や悪い意味はなく、男性、女性、LGBTだからこそ気づけて、変えていった方がいいこともある。
尾鷲市の市長と議会議員の選挙は2か月余りと迫る。活発な議会こそまちの活性化に資する。さまざまな人が名乗りを上げてほしい。
(R)