「炊飯器の蒸気に触れた」「炊飯器を倒し、こぼれた熱いおかゆを浴びた」「テーブルに置いた電気ケトルのコードをひっかけて倒した」…消費者庁や国民生活センターが収集している医療機関からの事故情報によると、昨年12月までの約10年間に、2歳以下の乳幼児のやけど事故は全国で約2000件起きているという。
乳幼児は、心身の発達に伴って急速に行動範囲が広がり、いろいろなものに興味をもち、危険を分からないまま、興味を持った物に触れようとしたり、口に入れようとしたりする。
前出の事例では、炊飯器を食器棚の引き出し式の下段(高さ50センチ)に置いてあったり、電気コードが床をはっていたり、起こるべくして起こったといえる。
先日、知り合いの幼い子どもを預かる機会があった。最初は見知らぬ部屋の様子に固まっていたが、慣れてくるとあちこち動き出し、置いてあるものに次々と手を伸ばす。我が家から幼子がいなくなって20年以上、全てを取りやすい場所に置いてあり、物をどけるのに追われたが、子どもは当たり前の行動をしただけのこと。
「ダメ」と言うより、子どもにも安全な環境にしておく必要がある。
(J)