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社説「冬場の感染防止対策周知を」

 全国の一日の新規感染者数が12日、過去最多となった新型コロナウイルス。今夏の第2波のピーク時を超えた数字に、専門家からは第3波を指摘する声が出ている。和歌山県でも11月に入り感染者が増加傾向で、12日も新たに10代~70代の男女計6人の感染を確認。県福祉保健部の幹部は「第3波の可能性が非常に高い。症状があれば早期に受診をしてほしい」と呼び掛けた。

 本紙エリアの新宮保健所管内、熊野保健所管内で新たな感染者は確認されていないものの、国の「GoToキャンペーン」で当地方を訪れる観光客も増加しており、油断はできない。このGoToで明るい兆しが見えていた観光や商業関係者は第3波に危機感を募らせながらも、経済活動を再び停滞させることは避けたく、感染防止対策の徹底を自ら行うとともに、来場者に対する注意喚起にも真剣だ。
 
 今回の第3波に加え、インフルエンザ流行に備える時季にも入り、日常生活のあらゆる場面で感染防止への意識に努めなければならない。これまで通り、マスク着用、手指消毒、3密(密集・密接・密閉)回避の徹底が基本となるが、寒くなれば手洗いや消毒が不十分になったり、部屋の換気も夏場に比べて頻度が少なくなったりする恐れがある。また、部屋の湿度が低いほど口から出た飛沫は乾燥して小さくなり周囲に拡散されやすい問題もある。
 
 全国で感染者数が増加している状況に、新宮市内のある高齢男性は「持病(糖尿病)をもっているので怖い。正しい情報がほしい」と話していた。男性が求める情報には、正しい感染防止対策も含まれているだろう。これからの時季、窓を開けっ放しにするわけにもいかず、暖房で温めた部屋であってもどのぐらいの頻度で窓を開けて換気すればよいのか、あるいは換気扇を回すだけでも効果はあるのか。湿度は専門家によると60%以上を保つと飛沫の広がりは半分程度になるといい、加湿器利用やぬれタオルを干す工夫で対応するなど、季節に応じた対策があるはずで、行政が広報紙や報道機関、SNSなどを通じて、住民にしっかり広報してもらいたい。緩みをなくすためにも、一定周期で感染防止対策を発信していくのが大切になる。
 

      11月13日の記事

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