43点の力作ずらり
植地貞夫さん洋画展
植地貞夫さん洋画展
洋画家の植地貞夫さん(83)の個展「季(とき)の風日和」が、那智勝浦町湯川のCafèきよもんで始まっている。10月30日(金)まで。ミニ色紙のサイズから100号(162センチ×130センチ)まで、大小さまざまの43点が飾られている。作品は全て、購入もできる。
植地さんは、新宮高校の元美術教師。美術団体の二科会に長らく所属し、数々の受賞歴があるが、高齢もあってこのほど退会した。「頑張って描いていたが、大変になってきた。100号を描くのもこれで最後か」と語る。
その100号のタイトルは、「海想譜・昨日の風」で、塗り込んだ背景の中央に、白の花が一輪描かれたもの。白い花は植地さんの作品群ではおなじみ。「赤い花でも白く描くことも。白い花は清潔感があり、影に赤みや青みをつけたりもできるが、赤い花はそうはいかない」と考えている。
独特の作風は、日本画の影響で生まれたという。「大学時代に日本画の透明感に感銘を受けた。アクリル絵の具を使うのも、透明感を出しやすいから。ただ、理想の透明感には、今だに到達できない」と明かす。 なじみ深い作品として、旧新宮市民会館のどん帳に採用されていた、お燈祭りの絵の原画もある。他には、白のキャンバスに白で描いた、実験的なものも。「白だけで描きたいと思った。見えるように見てもらえば」と話す。
TEL.0735-52-0881
那智勝浦町湯川(湯川ゆかし潟湖畔)
営業時間/10時~15時
定休日/月・火曜日