尾鷲総合病院のがんの放射線治療装置、リニアック導入に向けた予算は、反対意見はあったものの可決された。今後は、できるだけ安価に納入してもらうことと、利用者の確保が課題となる。
反対議員の懸念は、導入で病院経営に大きな負荷がかからないか。平均10.8人の利用者を見込むという試算の手法は間違っているとは思わないが、同じ手法ではじき出した平成27年度の数字は実績より多かったという。差を埋める工夫が問われる。
購入には過疎債を使う。その部分は現在、ほかの医療用具などの整備に使われている。単年度のこととはいえ、他の医療用具を買う資金の算段が必要。手当てはしているはずだが「計算違い」が出てこないか。
議会では、導入を先送りする代案として、遠方の病院に通っている人のためにマンスリーマンションを市が借りるという案が出た。逆に、リニアック治療のための転地療養を考えられないか。移住体験住宅や空き家バンクに登録した建物を使う。治療を受けない時間は尾鷲の自然や食を堪能してもらう。運用が始まってすぐ、利用者が目標数を超えるように、今から取り組みを勧めなければならない。
(M)