お盆休みは久々にカヌーで川旅をした。清冽な北山川を漕ぎ下る。川のど真ん中、視界に入る範囲に誰一人いない。ユラユラと川の流れに身を任せ、一人旅を満喫した。しかし、暑かった。軽い熱中症になったのではと思うほどの酷い暑さ。コロナ禍と酷暑…今夏は二重の脅威に晒されているようだ。
出発点にしたのは、新宮市熊野川町玉置口。かつて、キャンプ場があった場所だ。川を眺めながらの芝生のサイトはキャンパーを魅了する。何度お世話になったことか。管理棟も撤去されており、改めて紀伊半島大水害の爪痕を思い知る。復活は叶わないのか。さまざまな問題はあろうが、この地の一大観光拠点である。再開をと願う。
終着点は熊野市紀和町小船の小船梅林キャンプ場だ。こちらは、夏の風物詩ともいえるキャンパーたちで、さながらテント村の様相。全国的にも無料で利用できるキャンプ場として紹介されている。「太っ腹」なおもてなしの恩恵に預かる。しかし、手入れをしている人たちのことに思いを馳せると有料にしていいのではと考える。
この地のことを考える旅となった。
【茂】