「新型コロナウイルス感染者ゼロ」。9日時点で、岩手県は日本で唯一、感染者を出していない。米国のウォール・ストリート・ジャーナル紙が特集を組むほど、海外でも注目されている。しかし、その理由については、奥羽山脈や北上高地といった「自然の障壁」という地理的要因があると推測するも、解明はしていないと報じている。
2017年に総務省が行った家計調査で、書籍購入額が1万3730円と、盛岡市は1世帯当たりの本の購入金額が全国1位。このことにNHKが「本が売れない時代 盛岡でなぜ売れる!?」と特集を組んだほど岩手県民は読書好き。読書により、岩手県民は知らない間に人的距離の確保が取れていたのではと仮説を立てる人もいるが、科学的根拠はない。
感染者ゼロという出来事もだが、同県の達増(たっそ)拓也知事が「第1号になっても県はその人を責めません」「感染者は出ていいので、コロナかもと思ったら相談してほしい。陽性は悪ではない」と県民に呼びかけた優しさが心に染みる。
本紙エリアも感染者ゼロ。感染者の有無より、人間性豊かなことこそ誇り。
【茂】