新宮市の災害対策本部報告会が18日、市役所別館であった。市の各部署が担う災対各部が、今年度行った、能登半島地震の教訓を踏まえた取り組み、今後の課題などを報告した。
同市では、2016年の熊本地震を契機に、災害対策本部本部長(市長)指示により、災対各部で地震災害対応マニュアルに基づく行動計画の作成や見直し、実効性ある訓練実施などの継続した取り組みを行っており、その状況を毎年、本部長・副本部長に報告することとしている。報告会で各部の取り組みについて意見を交わし、今後の防災対策充実を図る。
新宮市の災対各部は
- 総務部
- 救助部
- 技術部
- 水道部
- 医療救護部
- 消防水防部
- 熊野川支部
- 三輪崎支部
- 高田支部
—からなる。
うち災対総務部は、能登半島地震の際にも課題となっていた災害時の被害認定を行うための「被害調査」について、研修開催や職員の研修派遣などを行ったと報告。災対総務部長は、被災者の支援に直接つながる被害認定は重要かつ神経のいるもので、調査を行える職員をできるだけ多く育成することが大切だとして、今以上に計画的に研修を受講してもらい、一度研修を受けた人も年数が経っている人には受け直してもらうなどの取り組みが必要とした。
災対技術部と災対水道部は、災害時に出動できる人数が限られる可能性を強調。部員全員がどの役割も果たせるようにすることや、わかりやすいマニュアルの作成などが必要だと報告した。
市立医療センターが担う災対医療救護部は、能登半島地震へのDMAT(災害派遣医療チーム)の活動報告から、新たな課題として、マニュアルなどにはない即時判断しないといけないイレギュラーが多いこと、患者の受け入ればかりに目がいきがちで医療スタッフの疲弊に気を使っていないこと、病院が避難所代わりになっていることなどを挙げた。今年度はそれらの課題を意識した訓練を行ったという。
災害対策本部長である田岡実千年市長は「南海トラフ巨大地震の想定震源域である日向灘での地震発生や南海トラフ地震の発生確率引き上げなど、いつ大地震が発生してもおかしくない状況。この報告会での意見交換や情報共有を通じて、大規模災害に対応した体制作りなど、今後のさらなる防災対策に反映させていきたい」と話した。