円滑な復旧・復興につなげる
新宮市は25日、友好都市の岩手県一関市との間で「災害時相互応援に関する協定」と「災害支援金代理受領に関する覚書」について締結した。協定と覚書では、大規模災害時に円滑な復旧・復興につなげるための措置を定める。
締結式は一関市役所で行われ、新宮市の田岡実千年市長、一関市の佐藤善仁市長ら両市の代表者が出席。両市長が協定書と覚書にそれぞれ署名、押印した。
協定書では、食料や飲料水、生活必需品や必要機材など物資の提供や、救援・救助や応急復旧に必要な職員の派遣などを盛り込んだ。覚書では、災害時に被災自治体に代わりふるさと納税による災害支援金の円滑な募集と送金を担う。
田岡市長は「お互いのまちが災害で被災した時の応急・復旧体制の充実と災害復興への寄付をいち早く募る体制を整えることにつながり、台風被害や南海トラフ地震の発生が危惧される中、当市にとって非常に有意義なものであると考えている」と述べ、今後も誰もが安心・安全に住み続けられるまちの実現に向けて災害に強いまちづくりに努めるとしている。
なお、「災害支援金代理受領に関する覚書」については、一関市と田辺市の間でも締結した。両市は姉妹都市関係にある。
【新宮市と一関市の交流の経過】
一関市の室根神社にある新宮(しんぐう)は、正和2年(1313年)、和歌山県新宮市にある熊野速玉大社の熊野神の分霊を勧請したとされている。
平成30年に挙行された室根神社勧請1300年祭を機に、両市の関係を確認し、この歴史的なつながりを礎として、相互の交流や両市の発展につなげるために、令和3年7月21日、友好都市として提携した。
令和3年度には、学校給食の食材交流、同4年度には3年ぶりに行われた「一関市民号」で新宮市を訪問したほか、同5年度には、市職員ほか「室根・熊野交流の会」会員などが市長への表敬訪問を行った。