エコー検査や血圧測定
新宮市国民健康保険直営熊野川診療所(上野山郁人所長)で28日、市立熊野川小学校と熊野川中学校の児童生徒が医療体験を行った。小学6年生1人と中学3年生6人の合計7人が、エコー検査や血圧測定、聴診などを1人ずつ体験した。
体験は診療所が学校に呼び掛け、昨年度に続いて2回目。診療所を身近な場所として認識してもらうとともに、医療従事者に対する理解を深め、医療への興味を育んでもらうことを目的としている。小中ともに総合的な学習の一環として行った。
体験は2班に分かれ、各医療メニューを順に回った。エコーでは臓器の位置を図で確認したあと、上野山所長が機械の使い方や画面の見方などを実演し、「できものができていないか、心臓がちゃんと動いているかなどを検査します」と説明。児童生徒も実際に、患者役の先生の肝臓や腎臓、心臓などの映像を見ていった。
血圧測定・聴診コーナーでは、白衣をまとってドクターに。看護師から血圧計の巻き方や空気の入れ方、数値の見方などを教わったあと、1人ずつ先生らの血圧を測った。「ちょっと高いですね。気をつけてください」「少し低めですけど大丈夫ですか」などと医者っぽくアドバイスする場面もあった。聴診器を使った体験では、患者役の胸部に聴診器を当てて心音や呼吸音に異常がないか確かめた。
また、診療所の隣にある市消防署熊野川消防出張所では、職員の案内で救急車の見学が行われた。新宮市では昨年1年間で1800回以上、熊野川出張所では144回の出動があったこと、到着までの全国平均は約10分だが、熊野川は広いので30分かかる場所もあることなどの説明を受け、救急車の中にある資機材について子どもたちが質問した。
学校医でもある上野山所長は「短い時間でしたが、実際に医療機器を触ることで医療に親しみ、診療所を身近に感じてもらえたら。また将来の職業選択の一助になればありがたい」と話していた。
仲桜良さん(中3)は「エコーはテレビでは簡単そうに見えましたが、実際にやってみると難しかったです。初めて救急車にも乗れて、いろいろな機械を見られて良かったです」。坂口心虹さん(小6)は「心臓の音を初めて聞きました。ドクドクなっていました。しっかり聞こえました」とそれぞれ感想を話していた。