• 「紀伊山地の霊場と参詣道」
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世界遺産登録20周年記念 先人が守り伝えた遺産、我々が磨き、後世へ

 和歌山、三重、奈良の3県にまたがる「紀伊山地の霊場と参詣道」は、2004年7月7日に世界文化遺産に登録され、今年で20周年を迎える。3つの霊場(吉野・大峯、熊野三山、高野山)とこれらを結ぶ参詣道から構成され、とりわけ参詣道が良好な形で残っていることや、沿道にある森林が信仰や生活等と密接に関わる文化的景観が高く評価された。先人が守り伝えてきた遺産を、今を生きる我々(われわれ)が磨き、後世へとバトンをつないでいかなければならない。

 世界遺産登録後、当地方は外国人を含む多くの観光客から注目を集めている。しかし、新型コロナウイルスが流行した2019年からは行動制限により来訪者が激減。観光を主産業の一つとする当地方の経済は大打撃を受けた。それでも、コロナ禍が明けた昨年から回復傾向にあり、今年に入ると、地域によってはコロナ禍前の水準を上回るところも出てきた。
 
 人口減少がこれからも進む当地方では、観光による交流人口を増やすための努力が欠かせない。地域全体で、遺産を磨きながら生かすことを考える必要がある。地元自治体や関係団体はこれまで以上に知恵を絞りながら、地元住民、特に子どもたちが地域の宝に誇りを持てるような教育を目指していくことも大切だ。
 
 20周年の節目には、各地でイベントが計画されている。先人に思いをはせ、今この地で生活することを喜びながら、未来へ伝えていく使命を感じる機会になれば。
 
 

霊場と参詣道が結ぶ 自然信仰と神仏習合
 
 紀伊山地の霊場と参詣道の資産面積は506.4ヘクタールと広大で、緩衝地帯と合わると1万2606.4ヘクタールにもなる。スペインの「サンチャゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」に続く2番目の「道の世界遺産」であり、熊野川は世界で唯一、世界遺産に登録されている「川の巡礼道」でもある。
 
 紀伊山地は本州最南端、太平洋に張り出す紀伊半島に位置し、標高1000~2000メートル級の山脈が縦横に連なり、年間3000ミリを超える豊かな降水量が深い森林を育む山岳地帯。その特有の地形、気候、植生などの自然環境に根差して育まれた多様な信仰の形態を背景として、万物の生成をつかさどる自然そのものを神として畏(おそ)れ敬う精神を今に伝える日本のアニミズム(自然信仰)、神仏習合の聖地。
 

知る・学ぶ・守る・歩く
 
  • 和歌山県世界遺産センター
     
     
     
     世界遺産を次世代に継承していくため、また、来訪者が「高野・熊野」や参詣道など実際の世界遺産地域への関心を高めるために設置された啓発・学習拠点。各資産の価値や魅力などをパネルで紹介するとともに、世界遺産セミナーや学校・団体向けの講座、道普請等の保全活動など、世界遺産保全への意識づくりや活動の推進に取り組んでいる。
    ・住所=田辺市本宮町本宮100−1
    ・電話=0735-42-1044
    ・開館時間=午前9時~午後5時
     
  • 三重県立熊野古道センター
     
     
     
     世界的に珍しい「道」の遺産である「熊野古道」を活用していくための中核となる施設。また、「紀伊山地の霊場と参詣道」における東側の玄関口であることも重要な役割の一つ。歩くことで「熊野古道の本物」に触れ、さらには目に見えない歴史・文化・風土など「熊野古道の本質」を理解する。これをサポートするのが熊野古道センターで、「熊野古道」と「人」を結ぶ架け橋となっている。
    ・住所=尾鷲市向井12−4
    ・電話=0597-25-2666
    ・開館時間=午前9時~午後5時
 

4か所集めて記念品 熊野三山巡拝朱印帳 配布中
 
 
 熊野三山協議会は「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界遺産登録20周年を記念して、「熊野三山巡拝朱印帳」を作製。熊野三山一寺(熊野速玉大社、熊野本宮大社、熊野那智大社、那智山青岸渡寺)、新宮市観光協会、熊野本宮観光協会、那智勝浦町観光案内所で無料配布している。
 
 記念の年を迎えるにあたり、改めて熊野三山一寺を広く周知し、文化の継承を目的として作製。三山一寺の4か所の御朱印をすべて収集して御朱印帳を完成させると、記念品をプレゼントする。期間は令和7年3月31日まで。御朱印は1か所につき500円。記念品の受け取り場所は、新宮市観光協会、熊野本宮観光協会、那智勝浦町観光案内所の3か所。1人1回限り。
 
 同協議会では「特別な年に『よみがえりの地』熊野三山一寺をすべて巡ってみてはいかがですか」と利用を呼びかけている。問い合わせは、熊野三山協議会事務局(新宮市商工観光課内、電話0735−23−3333)。
 

道の駅スタンプラリー
 
 熊野古道の世界遺産登録20周年を記念し、和歌山、三重、奈良の3県は連携して紀伊半島の観光振興を目的とした「道の駅」スタンプラリーを12月31日(火)まで実施している。
 
 和歌山県内36駅、三重県内18駅、奈良県内16駅の計70駅。3県の道の駅で1万冊のスタンプブックを無料配布する。期間内に全てのスタンプをそろえた人には、完走走破賞として、認定証と記念ステッカーを進呈するほか、さらに抽選で3県からの記念品のプレゼントもある。
 
 問い合わせは、NPO法人大地とまちを創る匠たち(電話052−908−0378)。
 
 
 

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