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熱いスポーツの指導者 子どもの成長導く

「水泳に支えられてきた」家崎なつ子さん
 「水泳を通じて夢の叶え方を知っておくことで、新しいチャレンジをする時の力になると思う」と熱心に語る。。
 競技に夢中になる子どもは「例えば家に帰って、遊んだりゲームしたりするのもいいが、練習を意識して行動したり、食生活に注意したり、普段のちょっとした時間の使い方から意識が変わっていく」と話す一方で、「個人としてはアスリートを育てるというより、人生の可能性につながるのが一番大切。もちろん高校卒業後も水泳を続けてもらえればうれしいし、大学の受け皿も多いが、水泳をやっていてよかったと思ってもらえれば」と穏やかな表情を見せる。
 自身は中学生で出場した静岡国体で水泳をつきつめることに目覚めたという。高校と大学は国体、インターハイ、インカレと水泳に専念する日々を送った。選手生活を終えた後の進路は「水泳のトレーナーか学校の先生しか思い浮かばなかった。将来の視野が狭かった」と振り返る。
 尾鷲高校で体育教師として社会人生活をスタートしたものの、慣れないことに苦労の連続。「教師になってから慣れるまでかなり大変で辛いことも多かったが、その後で部活でプールに行けることが救いでなんとかやっていけた。本当に、水泳に人生を支えられている」と話す。
 コロナ禍の中、練習も試合もできない環境に追い込まれたものの、それでも工夫して練習する子どもたちを支えてきた。「練習しなければ(タイムが)遅くなってしまうと思っていたが、練習再開後に子どもたちは自己ベストを更新していく。いい意味で、今までの価値観がどんどん変わっていくと感じた」という。
 「自分も新しいことに挑戦したくなった」と教職の道から離れ、指導の対象を高校生から中学生に移した。「高校生は成長していてうれしくても悔しくても感情を抑えてしまうので、何を思っているのか探るところから指導が始まっている感じもあったが、中学生は良くも悪くも素直で、ありのままを出してくる。すごく新鮮」「水泳から学んだ自分を信じることの大切さを、もっと多くの人に伝えられたらよい」と思いを熱心に語っていた。
 
勝利至上主義ではなく 森本次郎さん
 生まれは名古屋市だが、幼少時は大手建設メーカー務めの父の転勤で中京圏を転々とした。小学校高学年から愛知県の旧弥富町(現弥富市)に落ち着いたという。陸上は中学からで、前年まで兄がいた陸上部の顧問から数学の授業中に入部を呼び掛けられたことがきっかけ。「まさか授業中に声をかけられるとは思っていなくて断れなかった。正直バレー部かサッカー部に入ろうと思っていた」と苦笑する。
 入部後は陸上にのめり込み、走り幅跳びの選手として中学、高校、大学と県大会や東海大会で優秀な成績を収めた。「体を動かすことが好きで、中学生のころから先生になって教えられたらいいと思った。陸上が自分の心の支えになっていて、教えることで恩返しができたら」と三重大学教育学部に進学し、卒業後は紀北中に赴任した。
 指導により好成績を収めてきた選手も多いが、「勝利至上主義は絶対にいけない。それより、あいさつができる、感謝の気持ちを持つことが前提で、やはり人を育てるということが大事」「時代は移り変わっているが、今も昔もスポーツに取り組む子どもたちの姿は変わっていない。継続は力なり、自分を信じることの大切さ、支えてくれる周りの人への感謝など、スポーツを通じて自分なりに素直に学んでいる」と穏やかに語った。
 
悩みながら一人ひとり指導 吉田直文さん
 向井小学校の体育館と古田電工の倉庫が練習場所。通ってくる子どもの目的はそれぞれで、県内の大会で好成績を収めてもっと上を目指そうとする子もいれば、『学校の体育の跳び箱をうまく跳びたい』という子もいる。目的や習熟度がばらばらの中の指導は難しいが、吉田さんは「その子に合わせた指導をすることが一番大事」と語る。「例えば、褒めて伸びる子もいれば、負けん気が強くて『なにくそ』と燃える子もいる。声の掛け方、教え方、アプローチはいろいろある」と話し、「悩みながら、これで良かったのか、と思いながらやっている、もうずっと」と苦笑い。
 近年は、最近はほかのスポーツの下地をつくるために体操をやる子どももいるという。競技ごとに向いている筋肉の違いはあるが「体操は柔軟性や体幹をきたえることに役に立つ」と語る。「もちろん体操を続けていくのもいいが、野球やサッカーで活躍する子もいる。体操をやったことで、その子の人生にいいことがあればそれはとてもうれしいこと」と笑顔を見せる。
 仲間たちとともに、尾鷲でもっと練習できるように環境の整備にも熱意を注いでいる。以前はマットと跳び箱しか練習できなかったが、倉庫に鉄棒や吊り輪、平均台などの練習ができる道具をそろえた。「マットも上の大会だと、中にバネが入っているものになってきて、大会で初めての感触の中で演技することになってしまう。なんとかして、もっといい練習環境を整えてあげたい」と資材を集めて工夫を凝らしている。
 
夢をかなえる土台に 村島道春さん
 「野球に限らず、子どもたちがそれぞれの夢をかなえてくれたら」と願いながら指導にあたっている。指導のモットーは「一生懸命が上手な子」と「ありがとうの気持ちを大切にできる子」。〝一生懸命〟に関しては野球だけでなく、勉強だったり、あそびだったり、家の手伝いだったり、「その時、その時を一生懸命頑張れるように」と説明する。
 6年生は元日に卒団式だが、昨年1年を通して優秀な成績を挙げたため、13日からのM-1カップに出場する。新チームは7日(土)、8日(日)に松阪市で行われるベルカップで早速試合がある。
 また、出身の木本高校が3月に行われる選抜高校野球の21世紀枠候補9校に選ばれている。発表は27日(金)。「OBぐるみで練習している。地域一丸でとったチャンス。選ばれるとすごくうれしい」と期待を寄せていた。
 

      紀勢新聞

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