新たに踏み出す
今年の干支は巳(蛇)。脱皮をするヘビは「復活と再生」を象徴し、不老長寿や強い生命力につながる縁起の良い動物と考えられている。また、新たな始まりを連想することもできる。
当地方は昨年、「紀伊山地の霊場と参詣道」世界遺産登録20周年の記念行事が各地で行われ、紀伊半島一周高速道路に向けては地元待望の「新宮紀宝道路」が開通した。期待の大きいロケット「カイロス」は初号機、2号機と打ち上げられたが、ともに飛行中断措置がとられミッション達成は次回以降に持ち越された。それでも「一歩一歩、着実に進めていきたい」と前を向く。
世界遺産を生かした観光戦略も20年経過で新たな課題が見つかったはず。人口減少が続く当地方で経済を活性化させるには、観光が果たすべき役割が大きい。潜在能力は秘めているが、これをどう生かすのか。さまざまな分野で広域行政の必要性が指摘される中で、その一歩を観光から踏み出してはどうか。
学校統合が今年から続く。4月には熊野青藍高校が新たな歴史をスタートさせる。新宮高校・新翔高校は来年の統合に向けたラストイヤーで、歴史の最後の1ページを刻む。若い力は平時も有事も地域の活力になる。一歩ずつ成長の階段を上ってほしい。
一歩進むことで見える景色が変わる。そこには新たな出会いがあり、可能性が広がる。個人の成長が、やがて地域の成長にもつながる。本紙はその成長記録を伝えていく。