内閣府によるクマ被害対策ロードマップをみると、「クマ出没時の対応体制が確立され、人とクマのすみわけを実現し、国民の命と暮らしを守る」を目指す将来像とし、「2030年度まで、政策資源を総動員し、クマ被害防止の継続的かつ効果的な推進を図る」としている。日本にとって、クマ問題は〝安全保障〟の領域に達している。
昨年度の状況を月別にみると、出没情報も人身被害も10月が突出して多い。専門家は「去年秋の大量出没で捕獲できなかった個体が一定数、市街地などの周辺に残存している可能性がある」と指摘している。
本紙地域でもクマの出没情報が相次いでいる。住民の安心のためにクマの出没情報の周知は欠かせないが、自治体などへの抗議の殺到の話を聞くと、捕獲されたクマへの対応は、報道する意義と、関係各所への負担との釣り合いはとれるのか。古道歩きや登山など、観光への影響も決して少なくはないが、人身被害が出てしまえば元も子もない。考えなくてはならないことは多い。
(R)
