圧巻の完封劇、延長の激戦も
令和6年度和歌山県中学校新人野球大会(第16回全日本少年春季軟式野球大会兼第17回近畿少年秋季軟式野球大会)和歌山県予選大会が3日と4日の2日間、紀の川市の貴志川スポーツ公園野球場で開かれた。大会には県内各郡市の代表8チームが出場。トーナメントで争った結果、東牟婁代表の新宮黒潮ベースボールクラブが初優勝を飾った。新宮黒潮は今月和歌山県で開催の近畿大会と、来年3月に岡山県で開催の全国大会にそれぞれ県代表として出場する。
今大会は和歌山県中学校体育連盟と県軟式野球連盟などが主催。昨年から中体連の大会へのクラブチームの出場が認められ、新宮黒潮は先月の東牟婁地方新人大会(予選)を勝ち抜き県大会に駒を進めていた。昨年は県大会1回戦で敗れたため、今年は優勝を目標に臨んだ。
1回戦の岩出第二中(那賀代表)戦は3−0で快勝。先発の尾﨑蓮生投手がノーヒットノーランの完封劇だった。打線は5回にタイムリーヒットなどで2点を先制し、6回にはスクイズで追加点を奪った。
準決勝の印南中・大成中連合(日高代表)戦は尾鷲琉昊投手が先発。延長戦に突入する接戦となったが5−4でサヨナラ勝ちした。打線は2回に適時打で2点を先制したが、7回(最終回)に追いつかれ延長に入った。無死一・二塁から始まるタイブレークでは、8回表に2点を取られたが、その裏に1死一・二塁からつないで満塁とし、ここで適時打が出て3点を奪い5−4でサヨナラ勝ちを決めた。
決勝の上富田クラブ(西牟婁代表)戦は打線が2回に3本の安打で2点を先取し、5回には安打と相手の失策により追加点を奪い3−0で勝利。準決勝に続き先発した尾鷲投手は1安打完封した。
■堅守から攻撃へ
矢守匠主将は「県大会優勝は新チーム発足時からの目標だったのでうれしい。日頃の練習の成果が試合で十分に発揮できたことと、3年生が引っ張ってくれたことも大きかった」と喜んだ。普段から守備練習に時間をかけて取り組み、「守りからリズムを作り攻撃につなげる」という意識が選手全員に浸透。今大会では理想的な試合運びができた。近畿大会に向けては「優勝を目指したい」とし、全国大会には「大会まで時間があるので、一人一人の課題を克服してチーム全体のレベルアップを図りベストの状態で臨みたい。どれだけ自分たちの力が通用するのか楽しみ」と意気込みを語った。
中本勝久監督は「この新チームの選手は昨年、大きな大会など実戦経験の少ない中、短期間で全員一丸となって練習に取り組み、全国大会出場を目標に意識をもって頑張ってくれたことが結果につながったと思う」と選手たちをたたえ、「まだまだ課題が多くあるので、全国大会に向け練習を重ね、選手の個性豊かな性格を生かしつつ、選手たちの持つ力を引き出していきたい。全国大会という大きな舞台で貴重な経験ができることに喜びを感じている」と話した。
新宮黒潮は創部8年目。現在は1年生10人、2年生14人の24人が所属し、毎週水・土・日曜日の3回、練習に汗を流している。
近畿大会は11月16日(土)・17日(日)に貴志川スポーツ公園野球場で、近畿2府4県の代表7チーム(開催県の和歌山県のみ2チーム)が出場して開催。1回戦シードの新宮黒潮は、準決勝で竜王ジャガーズ(滋賀県)と中丹オールスターズ(京都府)の勝者と対戦する。
全国大会となる文部科学大臣杯全日本春季軟式野球大会ENEOSトーナメントは、来年3月に岡山県で各都道府県代表が出場し開催される。
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新宮黒潮ベースボールクラブの選手は次の皆さん。敬称略。
尾鷲 琉昊(那智中2)
下地 大空(下里中2)
宮本 梅吉(下里中2)
八舟 諒汰(古座中2)
左東 将吾(光洋中2)
糸川 貫大(緑丘中2)
大石 蓮稀(緑丘中2)
尾﨑 蓮生(古座中2)
南 慎之介(緑丘中2)
矢守 匠(色川中2)
大網 倖都(緑丘中2)
上田 颯涼(下里中2)
梅田 羽菜(那智中2)
石橋 真奈(那智中2)
浦 暖人(下里中1)
尾﨑 大和(古座中1)
中地 彗斗(下里中1)
仲地 励(下里中1)
野口 碧(下里中1)
矢守健太朗(色川中1)
片桐 悠太(下里中1)
谷川 翔(那智中1)
中本 叶(光洋中1)
竹田 塁(光洋中1)