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社説「継続への意識 もっと強く」

 「継続は力なり」という言葉を座右の銘としている人も多いのではないか。続けることの重要性や地道に積み重ねていればやがて大きな成果となるという意味。個人にも組織にも当てはまる言葉だ。

 新宮市の熊野川地区で先日、住民と熊野川中学校の生徒による災害ボランティア設置運営訓練があった。同校では、普段から地域との交流が盛んで、防災行事にも積極的に参加している。今回の狙いは、センター設置への理解を深めると同時に、普段から住民とのつながりを強くすることで災害時にも役立つと説明。県社協の担当者も、体験訓練・学習は、人や社会に貢献する力と態度を育む大切な機会で、平常時のこの機会に参加し、人と出会い、知恵でつながり、気持ちや考えを伝えあうことは、有事の際に被害を軽減させることができる大切な行動になると話していた。
 
 継続によって成果が見られるのは防災だけではない。地域の祭りも代々受け継がれてきて今がある。若者が減り、伝統芸能の継承に課題があるという地域もあるが、途絶えさせまいと、知恵を絞りながら毎年奮闘している。若者や子どもたちが積極的に関わる仕組みづくりを考えることで伝統は継続していくだろう。
 
 自治体等が主催するイベントを見ると、花火大会や風物詩的に毎年開催されるものから、今年の世界遺産登録20周年や新宮紀宝道路開通を記念した単発的なものなどさまざま。20周年関係のイベントは、集客と地元住民の機運醸成の両面だったが、観光地として「おもてなし」の機運を高めるには、地元住民の登録物件に対する知識や愛着を深めることが大切。専門性の強い講演会だけでなく、気軽に参加してみようと思えるイベントの継続が必要になる。
 
 一方で、過去は2日間開催だった新宮秋まつりは、現在一日開催と縮小傾向にあるが、遠征に出掛けやすい若者チームはともかく、秋まつりを最大の披露の場としている団体や見物を楽しみにしている高齢者からは寂しいという声も聞かれる。今月はアルツハイマー月間で、新宮市は市役所でパネル展を開き、認知症を徹底解説しているが、高齢者が楽しむ場を少なくすることは、認知症予防を進める市の姿勢とは逆行しているのではないか。これまで長年納税し、市の発展を支えてくれている高齢者が楽しめるイベントを縮小することなく、毎年恒例のものでも趣向を変えれば新鮮味も出るので、自治体等にはもっと知恵を絞ってもらいたい。
 

      9月20日の記事

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