尾鷲市北浦町の八幡神社の例大祭が15日、執り行われた。今年は5年ぶりに、本来の祭礼日である15日に行われて、全ての神事と祭事を一日で済ませた。
午前0時から魚市場近くの高台にある神社で扉開きがあり、拝殿では祷務町の中井町の関係者、尾鷲氏子総代会の役員ら約40人が、境内では各町の関係者ら約100人が神事を見守った。加藤守朗宮司は「神さまのお力をお借りし、楽しく、にぎにぎしく務めていただければ」と呼び掛けた。
午前10時からは例大祭神事が営まれ、氏子総代や中井町の役人(やくど)、漁業者の代表ら約30人が参列した。加藤宮司が、祭神の応神天皇(ほんだわけのみこと)、大綿津見神(おおわたつみのかみ)などに、国家の安泰と繁栄、氏子や地域住民の幸せ、大漁などのほか、平和などを祈願した。この後、宮司、祷人の福田一成さん(64)らが玉串をささげて拝礼した。
雨が残ることが予想されていたため、午前中に予定されていた各町が祷屋前で出し物を披露する「顔見せ」は取り止めた。道中踊りは午後0時30分ごろから、新町・林町の交差点を各町が順次出発。旧熊野街道を進み、北川橋を通って八幡神社に向かった。
昼頃から日差しも出て、蒸し暑い中での実施となった。子どもたちは、各町の世話人からうちわであおいでもらったり、小型扇風機を利用したりして暑さをしのぎながら、音楽に合わせて元気よく踊っていた。休憩時間にはジュースや氷菓などで体を冷やしていた。
長刀振り威勢よく
目玉の大名行列で長刀振りを務めた濵田一麿君は、羽二重の衣装に三段重ねのわらじを履き、隈取の化粧をして役目を務めた。長刀が右、左へ振り下ろされると、周りにいた人たちから「よいしょ」と声が掛けられていた。
13町の踊り子らは、徳栄丸が奉納し完成したばかりの鳥居をくぐり、石段を登って境内に上がり、最後の踊りを奉納。全ての町が参拝を済ませた後、祷渡しの儀が行われ全ての行事が終了した。