これから秋まつりのシーズンを迎える。三輪崎、宇久井、勝浦、下里は今月、来月は新宮、11月は紀宝町各地で続く。祭りは地域の元気を表すものだ。神輿(みこし)や山車(だし)が練り歩き、郷土芸能の披露も見どころ。世代を超えて一体となって楽しめるのもだいご味と言えるだろう。
地域によっては少子化で祭りの存続に苦労しているところもある。それでも絶やすわけにはいかないという強い思いで取り組んでいる姿には感動するし、応援したくなる。継承のためには当事者だけでなく、自治体や学校も積極的に関与していくべきではないか。
8月に行われた佐野柱松では、実行委員会のメンバーに市職員の姿があった。この職員は誘われて参加したが、熱い思いのメンバーに囲まれて活動するうちに、地域を盛り上げたいという気持ちが強くなったという。それぞれの地域に住む自治体職員が地元の祭りに参画すれば、大きな力になる。
学校でも生きた地域学習ができるはず。子どものころの貴重な体験は大人になってからも残る。早い段階から後継者育成を考えてもらいたい。
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