紀北町の長島港で27日(土)に開かれる「2024きほく燈籠祭」の大燈籠「大口真神」(おおくちまがみ)がいよいよ完成する。祭り1週間前の19日夜に、天に向かって咆哮(ほうこう)するニホンオオカミの形が出来上がった。
熊野古道世界遺産登録20周年を記念し、昔の古道に生息していたであろうニホンオオカミに、平和で安全な紀北町にという願いを込め、5月から作り続けてきた。
当初は正面を向いたニホンオオカミを想定していたが、制作中に上を見上げるデザインに変更し、高さが8メートルと従来の倍以上となった。祭り前の最後の土・日曜日で仕上げの色塗りをして完成する予定。
北出陽介実行委員長は「デザインの変更もあったが、多くの人の協力のおかげで立派な燈籠が今年も作れた」と安堵の表情を見せ、「この燈籠祭のために、みんなが知恵をしぼって汗を流してきたので、ぜひ今年も燈籠祭を楽しんでほしい」と話した。
燈籠祭は午後2時から体験イベント、午後5時からステージイベントが行われ、オペラ歌手の鈴木慶江さんも出演する予定。花火は8時からおよそ1時間、約3000発が打ち上がる。荒天の場合は順延して対応する予定。会場内の「とうろう市」では飲食物品販売も行われる。
臨時駐車場で協力金徴収
きほく燈籠祭はコロナ禍による中止からの再開後、来場者が増加傾向にある。実行委員会は混雑緩和のため、一部を除く臨時駐車場で、町外の来場者から1000円の清掃協力金を徴収する。
8か所の臨時駐車場のうち、始神さくら広場(三浦)、赤羽運動公園(島原)、多目的広場(相賀)は、みえ熊野古道商工会前までシャトルバスを出す。会場内に一般駐車場は設けない。
町民には7月号の町広報に駐車券を折り込んで配布しており、1世帯につき1台は無料で駐車できるようにしている。多目的広場のみ清掃協力金を徴収しない。