思うままに自由に書や絵を楽しむ「己書(おのれしょ)」の、新宮市三輪崎の照己(しょうき)道場(岸野由紀代表)は31日(水)まで、市役所三輪崎支所で、水彩画作品展を開催している。
「己書」とは、自分の世界観を楽しく表現する新感覚の書。書き方や文字の書き順にとらわれることなく、自らが思うまま自由に筆を走らせ、自分だけの書を追究する。2012年に総師範である杉浦正さんが開設、2022年9月時点で師範の数は2200人を超えるなど、筆文字文化やその楽しさを広める活動を展開している。
照己道場の岸野代表は、4年前に己書を始め、試験に合格して3年前に師範となった。今回、自分が主催しての初めての作品展。己書の魅力について、「字や絵が上手でなくても楽しくできて、集中すること自体もいいこと。脳の活性化によく、集中してやり切ってできる楽しいものです」と語る。
31点を展示。岸野さん自身と道場生の作品に加え、縁あって教えている市内のデイサービスセンター利用者14人の作品も展示している。水彩色鉛筆の絵に字を書き入れるスタイルで、クラゲを描き「流れにそって」と書く、星空と天の川を描き「七夕」と書くなど、それぞれ味わい深い作品が並んだ。
岸野さんは「見て『こんな風に描いているんだ』と、そのまま楽しんでほしい。見たままに受け取ってもらって、書きたいと思ってもらえたら」と話した。