これまで特例的な扱いだった運送業界の労働規制が4月1日から厳しくなった。少し前から「物流の2024年問題」の話題を報道や雑誌でよく見るようになった。対策を進めないと、3割ほどの荷物が運べなくなるという。
身近なところで問題視されているのが、宅配便の再配達。宅配ボックスを置いたり、コンビニで受け取れるようになるなど工夫が進んだ。一方、配達時間の指定が配達員の労働負荷を上げている、という記事も目にした。
再配達の負担がなくなるからいいことだと単純に考えていたが、確かに、同じ時間帯に配達依頼が重なれば、その依頼をこなすことは不可能。利用者側もその時間を空けており「せっかく待っているのに」と思うので、配達が遅れると苦情にもつながりやすいだろう。
問題は多岐にわたる。関係者が疲弊して事故が増えてしまうようなことはあってはならない。企業間取引でも消費者取引でも、改善が必要な部分では利用者の歩み寄りが大切だ。それが利便性向上にも貢献する。
(M)