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吉野熊野国立公園の父 岸田日出男の事績を紹介

 尾鷲市向井の三重県立熊野古道センターで特別展示室企画展「岸田日出男が遺(のこ)したもの」が行われている。3月31日(日)まで。戦前の吉野・熊野地域の記録や自筆記録、ニホンオオカミの頭骨・植物標本などを展示している。
 
 岸田日出男は明治23(1890)年、高見村(現・東吉野村)生まれ。吉野郡役所の林業技術官となっていた25歳の時に植物学者白井光太郎の講演「吉野名山の保護について」を聞き、山岳渓谷や森林のもつ美しさと価値に気付き、その豊かな自然を守るため生涯をささげた。吉野熊野国立公園指定に尽力し「吉野熊野国立公園の父」とも呼ばれる。昭和34(1959)年4月6日没。
 
 当時、紀伊山地は森林開発やダム建設などによって自然が急速に失われようとしていた。急激な開発に抵抗するために「国立公園」にして法律で守りたいと考えるようになり、多くの仲間とともに紀伊山地をくまなく歩いて調査し資料を作成。歎願などの政治的活動の要となった。昭和11(1936)年に吉野熊野国立公園の指定を受けた。
 
 展示されているのは、植物標本、昔の様子が偲ばれる絵はがき、吉野熊野国立公園協会、尾鷲観光協会(当時)、熊野市観光協会のリーフレット、自筆の原稿や新聞記事など。絶滅したニホンオオカミの上あごの骨(全長21.3センチ、幅11.7センチ)も展示されている。
 
 同センターでは「岸田日出男を通して、吉野熊野国立公園の価値を再発見・再確認してただく機会となれば幸いです」と来場を呼び掛けている。
 
 関連行事として3月3日(日)午後1時30分から、奈良県大淀町教育委員会の学芸員、松田度氏による講演会「岸田日出男のエコロジー」が行われる。紀伊半島で育まれた人と自然のかかわりや、彼が実践していたエコロジー(自然との共生)の考え方についてひも解く。
 
 無料で受講できる。定員は申し込み先着順80人。申し込み、問い合わせは同センター(0597-25-2666)。

      2月13日の記事

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