「二極化」という言葉がいろんな分野でやたらと使われる。「勝ち組」と「負け組」に分けるのも二極化だ。田舎人のひがみ根性で、この言葉から、都会への人口集中と地方の過疎化を真っ先に連想する。
高校受験も二極化だ。先ごろ発表された県立高校進学希望状況にも表れる。進学校や特殊な知識と技術を学ぶ職業学科に人気が集まり、特長のない学校は敬遠される。尾鷲高校も定員割れが当たり前になってしまった。
昔と変わったとはいえ、学歴偏重社会であることに違いない。良い大学を出て良い会社に就職をするのが人生の勝利者と信じ、そのレールに乗るために進学に有利な高校を目指す。
だが人口減少が続く日本を次世代に引き継いでいくのは高学歴者だけではない。多様な能力や経験を持つ人材を育て、活用することが重要だ。機会があれば地方での暮らしを望む都市住民も少なくない。若者の創造性を生かす就業機会を作り、人口流出に逆流を起こす。気概がなく努力を怠る自治体には負け組の未来が待っている。
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