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個性あふれる作品並ぶ 21日まで 熊野古道全国書道展

 第13回熊野古道全国書道展(同実行委員会主催)が11日、田辺市本宮町の世界遺産熊野本宮館で始まった。21日(日)まで。入場無料。

 幼児から高校生までの学生の部と一般の部で、熊野地域や古道に関する創作、臨書、写経を募集。北海道から九州まで、ほぼ全国各地のほか台湾を含め計178点の応募があり、特別賞と特選の入賞作品52点を展示している。
 
 今回も台湾から団体出品(15点)があり、うち1人が最高賞を受賞した。阪本青悠実行委員長は「日本国内の作品と異なり細字が多く、しかも古典の学習に基づいたレベルの高い書技に圧倒される」と評価した。
 
 写経や半切など大きな作品が年々増えており、今回は特に幼児、小学校低学年の活躍が目立った。3歳の半切の出品もあり、昨年に続き特別賞となった。また、地元の新宮市や熊野市からの出品も増えたのも特徴。
 
 特別賞で第1席の三重県知事賞は劉俊偉さんの作品。1字が数ミリほどの極めて微細な写経で、微小ながら字形は非常に正確で緻密。気が遠くなるような超多字数の作品で、その気迫と集中力に圧倒されると評した。
 
 紀宝町教育委員会賞は曹全碑の臨書の中尾和花(のどか)さん(小学4年)。隷書(れいしょ)での半切2行書きで、隷書特有の波磔(はたく)の書法を習得し、力強く伸びやかに臨書した。杉岡彩葉さんと杉岡双葉さん(ともに小学1年)は曹全碑の臨書と甲骨文の臨書。2人とも隷書や篆書(てんしょ)の特有の筆法で、伸び伸びと大らかに書き上げた。役員の作品はほかの展覧会でも活躍している審査員のものもあり、それぞれ個性豊かな玉作が展示され、光彩を放っている。
 
 阪本実行委員長は「写経あり、臨書あり、毛筆・硬筆を問わない多彩な作品群。規定部は出品者それぞれが熊野(熊野古道)について思いを巡らし工夫を凝らして作品にしたもの。同一課題で書技の優劣のみを競う従来からある展覧会ではなく、オリジナルで独創性があり楽しめる書がこの展覧会の見せ場」と来場を呼び掛けている。
 
 本紙関係で特別賞と特選に入ったのは次の皆さん。敬称略。
 
▽熊野市教育委員会賞
寺地 杏華(紀宝町)
▽特選
岩澤 優寿(新宮市)
寺前 頼子(紀宝町)

      1月11日の記事

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