パレスチナのガザ地区での戦争状態の終わりが見えない。国連が人道的停戦を求める決議を採択したが、イスラエルが強く反発。専門家によると、イスラエル国内の世論はハマス壊滅で一致し、停戦ムードはないという。戦争という地獄を望むほどに、憎悪と恐怖が深い。
ロシアのウクライナ侵攻については、即時完全無条件撤退を求める決議が採択された。世界の批判もロシアの侵略を止めることはできていない。法的拘束力を持ち経済制裁や武力行使を可能とする安保理決議は常任理事国の特権である拒否権によって機能不全に追い込まれている。第二次世界大戦後、平和と安定のために作られた国際連合の歪みが目につくことは否めない。法や機構、ビジネスモデルには時代に合わせた過渡期が存在する。
批判の声は当事者には届かず、惨状を伝える報道に触れる度に無力感に苛まれる。ただ、あれが戦争で、80年前に日本が通ってきた道だと、目に焼きつけることはできる。戦争を知らない世代だが、過去と現在から学ぶことはできる。
(R)