当方が小学生だった頃は、地域の大人と話をする機会は珍しくなかった。近所のおじさん、おばさんを見かけると「行ってきます」、「いってらっしゃい」が当たり前。狭い空き地で野球中、ボールが庭先に飛び込んで植木を割ってしまい、怒られるのを覚悟で謝ると「子どもが元気なのはいいことだ」と笑って許してくれた。
少子化で地域から子どもの声が聞こえなくなり、寂しい思いをしている人もいるが、今では安易に声をかけると「不審者」と間違われるおそれもあり、昔のようにいかないのが実情。
先日、田辺市立本宮小学校で、児童と地区住民との交流を目的に「本宮つながりフェス」が行われた。ゲームで打ち解けたあと、児童と大人が向き合うように輪を作り、フォークダンスのように一つずつ移動しながら会話を楽しんでいた。元々、学校と地域のつながりは強い地域だが、コロナ禍で交流行事ができず、このような機会を双方が待望していたという。
顔や名前を覚えることで防犯にもつながる。小規模校ならでは取り組みかもしれないが、ほかの学校でも実施できればと感じた。
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