運転手の不足が深刻化しているバス業界で、岡山市の貸し切りバス運行会社に27人の応募があり、7人を採用した。採用後1年間に限り50万円の給与と、入社祝い金・準備金の50万円を支給するという。厚待遇が観光バスに乗りたい人の心を揺り動かした。
結局は「高い給料」。最近、一部の大企業の大幅なベースアップが盛んに報じられているが、もともと働く年齢層が少ない地方の中小零細企業では、新しい人材を探そうにも見つからない。慢性的に賃金を抑えていると、なしのつぶてだ。
地方が抱える生産年齢人口の減少、つまり少子高齢化の影響は、企業の努力だけでは解決困難な構造的問題である。人手不足を補うには、日本人が日本で子どもを産み育てやすい環境をつくり、生産性を高めるのが本来だが、地方の人手不足は深刻で悠長にしておれない。
当地でも外国人の積極的な採用を検討すべきだ。自治体独自に、業種を越えて情報を共有し、外国人労働者の受け入れ環境の整備や課題を解決するための組織を設置してはどうか。
(N)