今年も残すところ1か月を切り、冷え込む日も増えた。師も走る12月に入ったが、尾鷲市の教育長人事のめどは立っていない。
コロナと社会の向き合い方に変化はあるものの、教育現場や家庭での感染症流行の不安は依然変わらない。県や医療機関との連携や調整、要望などの必要も出てくる中、教育行政のトップを欠く現状は、子どもや教職員に余計な負担を強いる懸念がある。
ICT、国際化、SDGsなど教育に取り入れていかなければならないものは多岐にわたる。ここ数年で尾鷲市の学校で自然体験教育が進化しているが、独自の教育プログラムの推進はトップの決断と責任があってこそ成り立つ。
地域の活性化のためには多様な意見が必要であり、執行部と議員に意見の相違はあるべき。それぞれが尾鷲のために譲れない部分があることも理解できる。それでも、この教育長不在の現状が市民の望んでいるもの、未来を担う子どもたちに胸を張れるものであるとは到底思えない。
互いの意見を調整し現実的な妥協点を見いだすのが政治の役割であり、大人の知恵である。地域の子どもたちのために、歩み寄って解決策を見いだせないものか。
(R)