三重県議会の2月の一般質問で、東紀州地域の観光で議論があった。国交省出身の一見勝之知事は、令和2年の観光客の県内の平均宿泊数が1・1泊であることを示し、「中京圏や近畿圏に近いというメリットがデメリットになってしまっている。伸ばしていくために宿泊、食、観光資源の3つの要素が重要」と述べている。
観光客の滞在時間や消費金額を伸ばすためには宿泊地として選ばれることが重要であり、県内で「遠い」位置にある東紀州のデメリットが裏返る。そもそも、自然環境や漁業という長所を考えても、今後の東紀州は観光業の活性化が必要不可欠。
課題は観光の受け皿の維持と拡大で、おわせSEAモデル事業でグランピング施設が設置されることになったのは朗報。紀北町の城ノ浜ではコテージにグランピング、新プールと観光施設の整備が進んでいることも明るい兆し。
一見知事は「東紀州は歴史、文化に自然もあり、癒やしの場所。鬼という地名も多く、鬼の地名を巡るやり方や、国内の鬼をめぐるサミットのようなこともできるのではないか」とも述べている。ハードの整備とともに、コンテンツの充実に知恵をしぼらねばならない。
(R)