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紀南抄「米作りを取り巻く環境」

 紀宝町の相野谷の一部地区では、早くも稲刈りが始まっている。酷暑の中での作業は大変だと思うが、熱中症には十分に気を付けて作業にあたってもらいたい。

 米の消費量は年々減少しており、昭和37年のピーク時に比べると、現在は半分以下に落ち込んでいるという。一方で近年のブームなどもあり、パンの消費は増加。手軽さやおいしさ、種類の豊富さなどが人気で、特に朝食時にパンを食べるという人が増えているという調査結果もある。

 40代以上の人なら記憶に残っていると思われる平成5年の米不足。天候不順のため収穫量が大幅に減少し、なじみの薄いタイ米が輸入されることになった。当時中学生で、食べ慣れないタイ米に悪戦苦闘した思い出がある。

 米作りの担い手不足・高齢化、米離れ、減反政策の廃止、外食産業の落ち込みなど、米を取り巻く環境は厳しく、今後はより一層のビジネス化が加速するとみられている。せっかく作った米の利益がきちんと出るような仕組み作りが重要。身内の田んぼの稲刈りも間近に迫っている。今年も自然の恵みに感謝しながら、新米をいただきたいと思う。

【織】

      8月 3日の記事

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