寄生虫のアニサキスによる食中毒がここ数年で急増しているという。生食する魚種の広がりや、流通形態・輸送システムの多角化などでより新鮮な魚介類が手に入るようになったこと、アニサキスの最終宿主であるクジラの数の増加などが原因と推察されるという。
主にサバやアジ、イカなどの刺身に寄生しているアニサキス。生食文化が根強い日本では、どうしても食中毒のリスクは高くなる。
以前、家族が釣ってきたイカをさばいている時、身に潜むアニサキスの幼虫を見つけたことがある。本当に小さくて見逃してしまいそうな存在なのに、これが人間の体内に入ると、大の大人が身悶えするほどの悪さをするのだということに驚いた。それ以来、もらったり釣ったりしたイカは、絶対に冷凍か加熱してからでないと食べられなくなった。
現在は冷凍技術の発達により、生と変わらない鮮度を保つことができるようになってきた。おいしさと安全を両立させることは、私たちの食生活をさらに彩り豊かなものにしてくれる。
間もなく梅雨入り。アニサキス以外の食中毒にも、十分注意しなければならない。
【織】