尾鷲市の戦没者追悼式がこのほど、行われた。3年ぶりに多くの遺族会員や来賓が参加。不戦の誓いを新たにした。
一昨年、昨年とコロナ禍で規模を大幅に縮小。実施時期も秋となっていた。今年も参列者は少なめだった。
例年と大きく異なったのは、ロシアのウクライナ侵攻が起こったことを受け、戦争の悲惨さがより強く意識されたこと。遺族の方は、ウクライナの子どもたちを、約80年前の自分に重ねた人も多かったに違いない。いつ攻撃(空襲)があり、いつ死ぬか分からない暮らしというのは想像がつかないが、日本をそのような状況に二度とさせてはならない。もちろん、世界が平和であることも大切だ。
遺族会の真井紀夫会長が、「悲惨だった太平洋戦争の苦しみを忘れたかのような、歴史の風化を強く感じる」と不安を述べていた。防衛費の大幅な増額の話に「敵基地攻撃能力」や「核共有」という言葉が付きまとう。しっかりと人員や装備を整え、抑止力を持つことは必要だが、「防衛」を目的に軍拡競争になってしまってはいけない。為政者には冷静な判断力と決断力で、平和を維持する思いをしっかり持ってもらいたい。
(M)