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社説「観光再開で先進事例も参考に」

 世界遺産にも登録された栃木県・日光の観光地で新たに登場した乗り物「グリーンスローモビリティ」が話題となり、テレビで取り上げられていた。通称「グリスロ」と呼ばれ、電気で動くため環境にやさしい。最高速度は20キロ未満で、名前の通りゆっくりとしか走れないが、沿道の景色を楽しむことができ好評という。マイカーによる観光地の交通渋滞緩和と環境面を考え、公共交通の利用を促進しようと、国土交通省が推進を図っている。

 新型コロナウイルスの水際対策でストップしていた外国人観光客の受け入れが10日、再開した。観光を目的とした外国からの旅行者を受け入れるのは約2年2か月ぶり。当面は感染リスクの低い国や地域から添乗員付きの少人数に限定されるが、コロナ禍前は当地でも外国人観光客は増加傾向だったことから、今後徐々にその姿が見られるようになるだろう。
 
 国内外の観光の動きが本格的に再開するにあたり、当地の観光行政や関係団体は受け入れ体制について確認するとともに、新たな観光スタイルの構築にも積極的に取り組んで、観光地間の競争に勝っていかなければならないが、新宮市内のある観光地では、コロナ禍で観光客が減少した間、観光客用の駐車場で目的外利用が散見されているのが気になった。これから観光客が訪れた際に駐車場が利用できないとなればマイナスイメージになる。管理する行政が目的外利用の禁止を再度周知する必要がある。
 
 新宮市や那智勝浦町などは世界遺産とともにまちなか観光も推進しており、前述の「グリスロ」でゆったり巡ってもらうイメージもしやすいのではないか。
 
 先進事例を参考に自分たちの地域での可能性を探ることも大切。高速道路の延伸で交通網は便利になりつつあるが、JR西日本からは、きのくに線新宮~白浜間の収支が悪化し、維持が困難になっているとする見解が示されており、将来に向けて路線を守るためにも、地元一体となってさまざまな形で列車利用の促進を図っていかなければならない。
 
 元通りの観光地に戻ることが目標ではなく、感染防止対策を講じながらも旅行者のニーズを捉えた新たな形を生み出すことが当地の課題となる。他地域に遅れをとることなく、誘客に努めてほしい。
 

      6月10日の記事

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