松野博一官房長官はこのほど開いた記者会見で、新型コロナウイルス感染対策としてのマスク着用を「大変重要だ」とした上で、「これまでも2メートル以上の距離を確保できている場合は外すよう推奨している」と述べ、気温や湿度が高い季節には熱中症のリスクが高くなると重ねて説明した。
昨年、熱中症で亡くなった人は全国で701人。長期的な目標である「1年間に1000人以下」を下回ったものの、8月中旬の気温が比較的低かったことも要因として挙げている。
気象庁の「エルニーニョ監視速報」によると、夏にかけて、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」が続く可能性が高い(70%)と予測。過去にラニーニャ現象が発生した夏は記録的な豪雨や猛暑となった年もある。
「みんなマスクをしているからお前もマスクしろ」では熱中症のリスクが高まる。感染症予防にマスクは必要だが、官房長官の言葉は、常時マスクをしなければならないという空気が漂っていることの裏付けか。周囲に人がいなければ必要はないし、個人の事情もある。状況を見れば適切に判断できるはずである。
(J)