「灯台下暗し」。人は身近なことには案外気づかないという例えだが、地元に住みながら、地元の良さに気づかなかったり、忘れていたりする場合を指す言葉としても使われる。取材で移住者や転勤者と話をする機会がよくあり、そのたびに指摘される。
先日、新宮公証役場の公証人・三橋豊さんを取材した際にも、その指摘を受けた。三橋さんは北海道旭川市出身。法務省職員時代は転勤族で、関西での勤務経験はあるものの、和歌山は初めて。新宮には以前プライベートで1度来たことがあり、自然と歴史にあふれた素晴らしいまちという印象が残っていたため、昨年12月、当地への赴任が決まった際も不安より楽しみの方が大きかったという。
三橋さんも「失礼ですが」と前置きしながら、当地のポテンシャル(潜在能力)をもっと生かせると評価してくれた。次の休日はどこに行こうか考えるのが楽しみとのことで、当地を愛し、満喫してくれていることに何だかうれしく、誇らしい気分になった。
コロナ禍で新たな形の観光を打ち出すタイミングでもあり、旅行者目線を大切にした商品開発やPR手法を心掛けたいものだ。
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