新宮市と連携協定を結んでいる東京大学大学院人文社会系研究科・文学部の関係教員らがこのほど、当地方で研修を実施。その中のフォーラムで、哲学、文学、建築学などさまざまな専門分野から見た熊野が紹介された。東大の先生方の講座だから、きっと難解だろうと心配していたが、巧みな話術と興味深い内容で、約4時間という長丁場だったにも関わらず、私のような一般人でも最後まで大変おもしろく聞かせていただいた。
講話を聞いて感じたのは、若い人にもっと地元の魅力を知ってもらいたいということ。それには、子どものころからの教育が大切だと思う。例えば、国語の授業で佐藤春夫や中上健次の作品を取り上げたり、社会科で御船祭の早船競漕やお燈祭りを見学に行ったり、熊野三山や那智の滝などを参拝したり。みんなと情報を共有することで思い出に残り、郷土愛を育むきっかけとなるかもしれない。
日本一の大学、東大との連携は、熊野の研究を深めるとともに、地元の人にも熊野の魅力を伝える大変貴重なチャンス。この縁を離さないように、これから活発に活動していくことを期待したい。
【織】