金融機関で硬貨の両替のみならず、預け入れにも手数料が必要となった。基本的に人に仕事してもらえば費用が掛かるわけで、金融機関にしてみれば「これまでは手数料をとっていなかっただけ」ということだろうが、無料だったものが有料になるのは影響が大きい。
合理化とは本来、サービスを維持、あるいは向上させるための手段のはずだが、特に周辺部、弱い部分が切り捨てられていると感じる。もっとも、そうしないと全体としてのサービスが維持できなくなっているという現状もある。金融機関にとっては長引く低金利が要因だろうし、地域という点で見ると人口減少の影響が大きい。
言うまでもなく、人口が減ると顧客も減る。売り上げが維持できないと、値上げやサービスを抑えなければ事業が回らない。この地域は、人口減、超高齢化の〝最先端〟。今後もさらに減少が見込まれる。どれだけの規模で縮小均衡が図れるか。
尾鷲市は「住みたいまち、住み続けたいまち」がまちづくりのキーワードだが、市街地と周辺部では、特に車が運転できなくなると住みやすさが大きく違ってしまう。いかに合理化を図って住みやすさを維持するかが問われる。
(M)