厚生労働省が21日、2022(令和4)年度の公的年金支給額を、本年度に比べて0.4%引き下げると発表した。6月に支給される分から引き下げられる。
物価や現役世代の賃金の変動率に基づき毎年変更がある。今回は、物価変動率が0.2%のマイナス、賃金変動率は0.4%のマイナスで、通信社の報道によると「改定ルールに基づき、下げ幅の大きい賃金変動率に合わせて」引き下げが行われるという。
詳しいルールは理解していないが、単純に考えて「物価は上がっているけど年金額は変わらない」という状況と同じであり、せめて物価分の引き下げでないと、生活が苦しくなる。
「100年安心」というキャッチフレーズで制度設計されたが、少子高齢化で受給者が増え、保険料負担者(いわゆる現役世代)が減少し続けることが見込まれる中、「リタイヤしたら年金で生活」というビジョンが描けなくなっている。
少し前、「老後のために2000万円が必要」という試算が大きな話題となった。庶民には大金である。通常国会の論戦が始まっているが、国には人生設計が安心して描けるような制度を作ってもらいたい。
(M)