尾鷲ヤードサービスが運営する「おわせむかい農園」で、ブルーベリー狩りを楽しむ向井小の児童のはじけるような笑顔が印象に残った。「世界一おいしい」はいささかオーバーではあるが、7月からのオープンに向け、事業者の心のよりどころの一つになるのではとも思う。
魚市場見学や干物づくり、魚さばき体験、マイ箸づくり、中学生の職場体験、尾鷲高校のまちいくなど、子どもたちが地場産業を学ぶ機会は多い。もちろんこれらの取り組みは非常に有意義だが、地元の産業の良さを消費者の目線で体感しておくことも重要ではないか。子どもの頃の楽しかった思い出は強く印象に残る。
昨年度は新型コロナウイルス感染症拡大による需要の落ち込みの救済措置として、マダイやブリが学校給食で出され、地元中学生の修学旅行でホテル季の座を利用した取り組みもあったが、地元を知る教育の一環として今後も継続できないか。
特に、尾鷲にとって農業は伸びしろが大きい分野で、ブルーベリーや甘夏狩りであれば観光誘客の一端も担う。農家や事業者を育てていくために、地元の児童生徒の体験学習や給食での利用を検討すべきではないか。
(R)